東京都東久留米市のお店を紹介しています

志乃【東久留米市本町】

志乃【季節の味|ふぐ割烹料理】

東久留米市本町

店舗外観

東久留米駅から徒歩約6分の場所に店を構える和食店「志乃」は、先代が創業し、現在は2代目の多功さんが切り盛りをしています。

もともとは居酒屋のような形態でしたが、コロナの時期をきっかけに、自身の修行経験やアイデアをもとに新たなスタイルへ挑戦。
大きく方向転換し、今では高級感あふれる和食のお店として評判を集めています。

店主の多功さんは、子どもの頃から「人を喜ばせることや目立つことが好き」だったと言います。
一方で、将来は料理の道に進むとは思っていなかったそうです。
しかし、父の楽しそうに働く姿が印象的で、19歳のときに料理の道へ進むことを決意。
母からは「この仕事は大変だから」と止められたこともあったそうですが、多功さんは料理をしっかりと学び、銀座の料理店で5年間の修行を積むなど、着実に腕を磨いてきたのです。

店主の多功さん

修行時代にはふぐの調理免許も取得し、現在ではふぐコースやふぐ懐石も「志乃」の名物のひとつとなっています。

夜の営業は予約制で、季節のおまかせコース(4,900円/6,500円/8,800円)を中心に提供しています。
四季折々の旬の食材を贅沢に使い、毎月内容が変わるため、月に一度の特別な楽しみとして訪れる常連さんも多いそう。

※月替りのメニューは公式サイトやInstagramで見ることができます。

コースの中で特に力を入れているのが「前菜」。
最初に口にする料理は、その店の“顔”とも言える重要な存在です。
お客さんがワクワクしながら食事をスタートできるようにと、多功さんは彩りや盛り付けを凝らし、素材の魅力を余すことなく引き出しています。

また、ふぐコースやすき焼きコースといった贅沢なラインナップも用意しており、カウンターでふぐ懐石を堪能することもできます。
高級感がありながら、店内は気取りすぎない温かい空気が流れており、少人数はもちろん、大人数でもゆっくり過ごせる配慮がなされています。

カウンターの雰囲気
お座敷席もあります

「志乃」の料理の魅力を語るうえで欠かせないのが、“地産地消”への強いこだわりです。
東久留米は豊かな自然に恵まれた土地柄で、朝採れの新鮮な野菜が手に入りやすい環境があります。
多功さんいわく、魚や肉、果物は熟成させることで旨味が増すことがありますが、野菜は収穫した瞬間から鮮度が落ちていくものがほとんど。
そのため、採れたての状態をいかに早くお店に届けるかが勝負であり、畑とお店との距離がとても大事なのだとか。

「志乃」では積極的に地元の素材を取り入れていて、多功さんは、東久留米産の野菜を「くるベジ(東久留米ベジタブル)」としてブランド化を目指そうという提唱もしているそうです。

例えば、大根ひとつをとっても、育った土地の水で洗い、そのまま店で調理することで、鮮度や旨味が全く違うのだといいます。
東久留米周辺では、大根やにんじん、落花生、さつまいも、里芋、カブ、ほうれん草、白菜、ネギ、わさび菜、イチゴ、キウイなど、本当に多種多様な作物が収穫されます。

魚に関しても、鮮魚店との太いパイプを築き、毎朝店主自らが仕入れてくるため、抜群の鮮度を誇ります。

そんな「志乃」の料理は、伝統的な和食のエッセンスを大切にしながらも、随所に現代風のアレンジが施されているのが特長です。
「スタンダードな和食ばかりでは面白くない」と語る多功さんは、例えば刺し身のツマを添え物として扱うのではなく、シャンパングラスに盛り付けてドレッシングをかけ、まるでサラダのように仕立てるなど、驚きや発見を提供する工夫を凝らしています。
また、茶碗蒸しにしても、豚肉と白菜をトロトロに煮込んだ具材を使い、カリフラワーの摺り流しを合わせるなど、新感覚の一品に仕上げるのです(時期によって内容は変わります)。

「志乃」のコースで特徴的なのが、2品目に提供される「お凌ぎ(おしのぎ)」と呼ばれる軽いご飯物です。
お凌ぎは、文字通り“空腹を凌ぐ”という意味を持ち、軽く腹ごしらえをしてからコースを存分に味わってほしいという多功さんの思いが込められています。
最後の御飯もおかわり自由にしており、「お客さまがお腹いっぱいになるまで楽しんでほしい」というスタンスが貫かれています。

ランチタイムは、よりカジュアルに楽しめる価格帯で日替わり定食や天丼・海鮮丼などを提供。
中でも海鮮丼は、鮮度の高い魚をふんだんに盛り込んだ贅沢な一杯として人気が高いそうです。
ある日のメニューとしては、豚しゃぶサラダや鶏唐葱ダレ、サケの甘塩焼きなど、和食の定番からひと工夫加えたメニューが並びます。

ある日のランチメニュー

仕出し弁当も手がけており、お祝い事や法事など、さまざまなシーンで活躍しています。

さらに、お正月に欠かせないおせち料理も、「志乃」ならではの現代的で華やかな仕上がり。
従来のおせちは同じような味付けが多く、途中で飽きてしまうこともありますが、多功さんが考案するおせちは、華やかでワクワクするような品々が詰まっており、毎年リピーターからの注文が相次ぐ人気ぶりだとか。

料理だけでなく、器へのこだわりも「志乃」の大きな魅力です。
かっぱ橋の有名店でじっくり吟味して揃えた器の数々は、料理をさらに引き立てる名脇役。
視覚的な美しさと味わいが相まって、特別な食体験を演出してくれます。

先代が築いてきたお店を継ぎ、大胆な路線変更に挑戦した多功さん。
これまでに培った技術と独創性を惜しみなく発揮しています。
現在は多功さんの長男も和食の有名店で修行中とのことで、今後ますます家族の絆と情熱が「志乃」の未来を支えていくことでしょう。

東久留米の自然豊かな恵みと、確かな腕を持つ料理人が織りなす特別なひとときを味わえる「志乃」。
夜は予約限定でのコース料理を、昼は気軽なランチを、さらに仕出しやおせちなど多彩なニーズに応えてくれる頼もしさも魅力です。

大切な人とのお祝い事や、ちょっとした贅沢をしたいときなど、訪れるたびに新たな発見と驚きをもたらしてくれるはず。
お近くにお越しの際は、ぜひ足を運んでみてください。
きっと、素材と技が生み出す幸せな食体験を堪能できますよ。

志乃:公式ホームページ

取材メモ

ランチ時に取材に伺わせていただき天丼を注文。ボリュームたっぷりでとても美味しかったです。
今度は海鮮丼もいただきたいと思いました♫

志乃

地図