シャルキュトゥリー・モエ
東久留米市滝山

東久留米市滝山の住宅街にひっそりと店を構える「シャルキュトゥリー・モエ」は、フランス式の食肉加工品を専門に扱うお店です。
店内へ足を踏み入れると、ガラス張りの冷蔵庫にずらりと吊るされたハムやサラミが目に飛び込んできて、まずその迫力に圧倒されます。


シャルキュトゥリーとは、フランス語で肉屋や食肉加工業のことを意味します。
オーナーで職人の中川さんは、もともと職人の世界に憧れを抱き、牛や豚の加工技術を学ぶうちに「ハムやソーセージを本場フランスで作ってみたい」と思うようになったのだとか。
24歳のときにフランス語もわからないまま渡仏し、運よくシャルキュトゥリーで働く機会を得て、みっちり修行を積んだそうです。
「言葉はわからなくても、豚の形は日本もフランスも同じ」と笑う中川さんは、フランスで学んだ技術と国内各地での経験を活かし、2011年に29歳で東久留米市滝山に「シャルキュトゥリー・モエ」をオープン。
以降、フランス式の食肉加工品を日本の食卓にもっと広めたいという想いで腕を振るい続けてきました。
現在は狭山市に広い工房のある2号店を構え、そこを拠点に商品を製造。
東久留米の本店に並ぶ品々は、すべて狭山の工房から運ばれています。
日本でよく見かけるウインナーなど食肉加工品の多くはドイツ式の手法で作られますが、中川さんが手がけるのはあくまでフランス式。
ドイツ式が力強い風味を打ち出し、ビールとの相性を前提にするのに対し、フランス式はワインとのマリアージュを想定して、やさしく上品な味わいが特徴だといいます。
「あくまで料理の材料として楽しんでもらう位置づけ」というフランス流の考え方を大切にしているのだそう。
ひと口食べただけでガツンとくるわけではなく、噛みしめるたびにじわりと旨味が広がり、食べ手がその味わいを積極的に探りにいく——そんな“引き算の美学”ともいえる味づくりを追求しているのが「シャルキュトゥリー・モエ」の特徴です。
取り扱う豚肉はすべて国産。余計な添加物を使用せず、良質な素材をシンプルに、そして丁寧に加工することで、仕上がりがやさしい味わいになるのだとか。
おすすめ商品は「マダムクレアのパテ」と名付けられたレバーパテや、白カビに覆われた芳醇なサラミ。ワインと合わせると格別な時間が楽しめると評判です。
さらには、4種類のウインナーがセットになったパックも人気。
いずれの商品も、噛むほどに余韻が深まり、塩味や肉の旨味がじんわり染み出してくる感覚が魅力的。
定番のベーコンは「店の方向性や製造思想が一番よく表れる」と中川さんが言うほど、素材選びや製法へのこだわりが反映された逸品です。



お客さんは地元の方だけでなく、都心や遠方からもわざわざ足を運んでくるそう。
また、デパートなどで催事出店もしているため、「シャルキュトゥリー・モエ」の味を求めて各地からリピーターが増え続けているとのこと。
東久留米市内では、本店のほかに東久留米駅前の「野崎書林マルシェ」でも一部商品を取り扱っているため、気軽に手に取ってみることができます。
また、ネット通販でも購入することができます。
「究極の職人になりたい」と語る中川さんですが、「どんなに努力しても、真の“究極”にはたどり着けないものだと思う」とも話します。
それでもなお、理想を追い続ける姿勢こそがシャルキュトゥリー職人としてのプライドであり、積み重ねてきた技術をさらに高めていく原動力になっているのだとか。
フランスで培った“やさしい味”へのこだわりは、今や多くのファンを生み、贈答品や特別な日の食卓に彩りを添えています。
まるで小さなフランスの食肉加工店が、日本の住宅街にぽつんと現れたような「シャルキュトゥリー・モエ」。
極上のシャルキュトゥリーを味わいたい方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。きっと、中川さんの“優しい風味”の虜になることでしょう。

「究極の職人になりたい!」と話す中川さんの姿がとても魅力的でした。
おすすめ商品のマダムクレアのパテ、白カビのサラミ、ベーコン、4種類のウインナーパックを自宅用に購入。
ワインと合わせて美味しくいただきました!


シャルキュトゥリー・モエ
地図
https://www.instagram.com/charcuterie_moet/
公式ホームページ
住所
東京都東久留米市滝山7-17-24-103
電話番号
042-474-9250
営業時間
【東久留米店】
11:00~19:00
月・火曜日定休
※メニュー内容や価格、営業時間などは取材時のものです。最新の情報はお店に直接ご確認ください。