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和三盆工芸菓子 象東【ZOTO】【東久留米市本町】

和三盆工芸菓子 象東【ZOTO】

東久留米市本町

東久留米駅から徒歩3分ほどの場所にある「和三盆工芸菓子 象東【ZOTO】」は、ビルの2階にひっそりと佇む干菓子(ひがし)専門店です。

扉を開けると、すっきりと凛とした空間が広がり、まるで茶室に足を踏み入れたかのような静謐さを感じます。
店内に並ぶ美しく繊細な干菓子は、すべて香川県産の和三盆糖を100%使用した讃岐工芸菓子「御陽菓詞(おひがし)」。

干菓子専門店は全国的にも珍しく、茶席や冠婚葬祭、贈答用として多くの人に愛されています。

代表の三浦さんは、香川にルーツを持ち、「地元・香川の伝統的な素材を活かした仕事をしたい」という想いから、2011年に「和三盆工芸菓子 象東【ZOTO】」をオープンしました。

「象東」という店名は、香川の霊峰である象頭山(ぞうずさん)に由来するそうです。
象頭山には金刀比羅宮(こんぴらさん)が鎮座しており、地元の人々にとって特別な山です。

店名にはその「頭」を「東」に変え、「象頭山の東京支部のようなイメージで香川をリスペクトしたい」という三浦さんの気持ちが込められています。

代表の三浦さん

干菓子と聞くと「落雁(らくがん)」をイメージする方も多いかもしれませんが、和三盆糖100%の干菓子は落雁とは異なる、より口どけの良い菓子です。

讃岐和三盆ならではの上品な甘さが特徴で、ふわりとほどけるような食感が魅力。

とくにお茶を嗜む方からは「風味を損なわず、抹茶や煎茶の味を引き立ててくれる」と重宝され、現在では海外へのお土産や、来日した方への贈り物としても注目されています。
軽量で日持ちがよく、和の優美さが凝縮された干菓子は、海外の方にも“ジャパニーズ・スイーツ”として喜ばれるそうです。

もうひとつの大きな特徴は、オリジナルの木型を使用して干菓子を成形していることです。

江戸時代から伝わる伝統的な木型の意匠を使ったものはもちろん、オーダーメイドで新たに木型を作ることも可能とのこと。
干菓子の形には季節の花や縁起物などが多く取り入れられますが、「お祝い事に合わせてオリジナルの干菓子を贈りたい」という声に応えるため、熟練の木工職人が一点一点丁寧に彫り上げているそうです。

その美しく繊細な造形は、目でも楽しめる芸術品のような趣があります。

「和三盆工芸菓子 象東【ZOTO】」の定番商品は、「吉祥尽くし」という名前の通り、縁起の良いモチーフを詰め合わせた華やかな一品。

吉祥尽くし

そして、東久留米のブランド認定を受けている「干菓子くるめ(ひがしくるめ)」も人気を集めています。

「干菓子くるめ」はふるさと納税の返礼品としても採用されているため、市外や遠方の方が東久留米の魅力に触れるきっかけにもなっているようです。

季節ごとに商品ラインナップが変わるのも楽しみのひとつで、お正月の“お年賀”や3月のひな祭り、その他行事に合わせた限定デザインの干菓子も登場します。
こうした季節商品は手土産や行事の彩りとしても人気が高いそうです。

店主の三浦さんは「15年近く営業を続けてきましたが、今後も香川の和三盆文化を東京で広めていきたい」と語ります。
和三盆糖の深い甘みと独特の口どけを、もっと多くの人に味わってもらうために、地元だけでなく全国、そして海外にも魅力を届けたいという想いが伝わってきます。

商品は、東久留米市本町の本店のほか、東久留米駅前の「野崎書林マルシェ」や、西東京市・田無駅前の「まちテナショップ」、さらにはネットショップでも購入可能です。
本店の営業時間は月〜金が10時〜18時、土が12時〜18時で、日・祝はお休みとなっています。

干菓子専門店ということで少し敷居が高いイメージを持たれるかもしれませんが、店内は和やかな雰囲気で、干菓子の魅力やおすすめの食べ方を丁寧に教えてくださいます。

お茶会の手土産に、人生の節目を彩る贈答用に、あるいは海外のお友達へのプレゼントに──「和三盆工芸菓子 象東【ZOTO】」の干菓子は、様々なシーンで喜ばれる逸品です。
香川へのリスペクトが息づくやさしい甘さと美しい造形を、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

もし東久留米駅周辺に足を運ぶ機会があれば、静かで上質な甘さが広がる干菓子の世界を体験してみることをおすすめします。
きっと、その奥深い魅力に惹かれるはずです。

和三盆工芸菓子 象東【ZOTO】:公式ホームページ

取材メモ

自宅用に買って帰った御陽菓詞は、とても繊細で、食べるのがもったいないくらいでした。
和三盆の優しく上品な甘さも、とても素敵でした。

和三盆工芸菓子 象東【ZOTO】

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